VC投資のトレンド

CB InsightsとKPMGが、2015年第4四半期のVCレポートを公表しています。VCの投資先による資金調達額の推移を見ると、第4四半期は世界全体で272億ドルとのことであり、第3四半期の387億ドルに比べて調達額が30%くらい減少しています。2014年から2015年にかけてはほぼ右肩上がりで調達額が増加していたのが、一転して大幅減となりました。そうは言っても、2011年から2013年にかけての各四半期の調達額は100億ドルから150億ドル程度でしたので、その頃よりははるかに多額の調達が依然としてなされているのですが、ここ最近のトレンドを見ると、ここから更に反転して調達額が増加する可能性は低そうです。とすると、2015年第3四半期が近時におけるVC投資のピークだった、ということになりそうです。

株式投資においては、資金供給が豊富で上げ相場のときは株価が上がる前にいち早く投資しようとし、供給が細って下げ相場になったときは落ち着くまで様子見、という戦略をとることが、上場株投資であってもVC投資であっても一般的だと思います。とはいえ、VC投資においては、資金供給が細ってきているときに先に出資してしまうと、その後のファイナンスラウンドにおいて後から出資する投資家にwash outなどのかなり厳しい条件を突きつけられてしまう可能性があり、その点が株主平等が原則である上場株と違うので、VC投資は上場株投資よりも下げ局面での投資の萎縮効果が大きいのではないかと思います。そもそもスタートアップは資金調達できなくなったら基本的に終わりですしね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です