Googleの制限付き株式って?

GoogleのCEOが報酬として約230億円相当の制限付き株式を付与された、という記事がブルームバーグに出ています。

制限付き株式(Restricted Stock)というと譲渡制限株式かな、というイメージが日本だとありますが、ちょっと違いますよね。Google(というかAlphabet)は上場してますしね。

アメリカのRestricted StockやRestricted Stock Unit(RSUと略されることが多いです)は、株式を取得するための条件がついている権利(※)のことで、多くの場合、一定期間、自社で勤務を継続することを条件に段階的に株式が付与されるようになっています。いわゆるvestingですね。この点はストック・オプションと同じような設計になっていて、従業員のインセンティブとして付与される点もストック・オプションと一緒です。

具体的には、SECにファイリングされたForm 4によると、今回GoogleのCEOであるSundar PichaiはClass C Google Stock Unitを273,328株付与されています。2016年3月25日から四半期ごとに、継続勤務を条件としてその16分の1ずつが付与されます。

1/16th of GSUs will vest on March 25, 2016 and an additional 1/16th will vest quarterly on the 25th day of the month until the GSUs are fully vested, subject to continued employment on such vesting dates.

Google Stock Unit(GSU)がGoogleのRSUの名称のようですね。GoogleのClass Cは(創業者の議決権希薄化を防ぐために)2014年の株式分割で新たに発行された議決権のない株式ですので、Class C Google Stock UnitというのはそのClass C株式が付与されるRSUということかと思います。

なお、RSUとストック・オプションとの違いは、ストック・オプションは株価が行使価格を上回らないとストック・オプション保有者は利益を得られませんが、RSUの場合は、株価が上がろうが下がろうが、付与されればその株価分の価値があるということです。ですので、既に成功して成熟しつつある企業や、バリュエーションが高くなりすぎた企業はRSUの方が使いやすいとされています。


(※)厳密に言うと、Resticited Stockは株式そのものですが、Restricted Stock Unitはあくまで株式を得られる権利なので、両者は異なると理解しています(特に税務面)。ただ、記事レベルでは米国でもあまり使い分けられていないですね。

 

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