CalPERSと成功報酬

CalPERSが出資しているプライベートエクイティファンドに対して、CalPERSがいくら成功報酬を支払っているか、CalPERS自身が把握していなかったということで、しばらく問題視されていましたが、この度、CalPERSの発表により、PE投資を始めた1990年からの累計において、34億ドルの成功報酬をPEファンドに対して支払っていることが開示されました(なお、管理報酬は含まれていないはず、です)。 “CalPERSと成功報酬” の続きを読む

開示資料から見るa16z(その1)

米国のベンチャーキャピタルのウェブサイトを見ると、チームメンバーや投資先などはわかるのですが、ファンド自体の内容についてはあまり開示されていません。これはプライベートエクイティファンドでも同様です(というか、ウェブ上の情報が更に少ない)。なぜこうなのかというと、別に秘密主義を貫いているのではなく、米国証券法の勧誘規制があるからだと考えられます(もちろん個別には他の理由もいろいろあるのかもしれませんが)。 そこで、せっかくなので、SECに開示されている情報からVCファンドの何がわかりうるのか、ということを、Andreessen Horowitz(a16z)を例として見てみたいと思います。 “開示資料から見るa16z(その1)” の続きを読む

VCファンドのストラクチャー

日本とアメリカのベンチャーキャピタルの違いの一つとして挙げられるのが、ファンド・ストラクチャーです。日本のベンチャーキャピタルの場合、実際にお金が入るファンド(組合)の上に無限責任組合員がいて、その無限責任組合員であるところの会社にベンチャーキャピタリストやスタッフが所属し、ファンドを運営しているのが通常かと思います。 “VCファンドのストラクチャー” の続きを読む

スタートアップの評価額算定方法

今回も巨大ファンドによるスタートアップへの投資に関する話題です。ユニコーンへの投資を新規に開始したファンドタイプの一つとしてミューチュアル・ファンドが挙げられますが、ミューチュアル・ファンドは一般大衆に販売されるため、保有資産をいくらと評価しているかが一般に公開されます。Wall Street Journalによれば、彼らミューチュアル・ファンドが投資した(非上場の)スタートアップ株式の評価方法の適切性について、SECが関心を寄せているようです。 “スタートアップの評価額算定方法” の続きを読む