CalPERSが出資しているプライベートエクイティファンドに対して、CalPERSがいくら成功報酬を支払っているか、CalPERS自身が把握していなかったということで、しばらく問題視されていましたが、この度、CalPERSの発表により、PE投資を始めた1990年からの累計において、34億ドルの成功報酬をPEファンドに対して支払っていることが開示されました(なお、管理報酬は含まれていないはず、です)。この数字が善いのか悪いのかについてはさまざまな見解があると思いますが、このような数字が開示されること自体、PEの成功報酬を20:80から減らす方向への圧力として働きそうですね。
この間、CalPERSが得ている実現益は242億ドル、そしてファンドへの当初出資額の合計は293億ドルとのことです。ほぼ倍近くになっているということですね。成功報酬(34億ドル)がLPの実現益(242億ドル)の25%(注)よりも少ないのは、ハードルレートなどの影響でしょうか。損を出しているファンドもあるはずなので、いずれにせよ計算は簡単ではないですけど。
なお、個人的に一番驚いたのは、CalPERSが各ファンドに支払った成功報酬の金額が、一覧で開示されていることです。CalPERSの出資金額が不明なので、これだけで評価することはできないものの、各ファンドのパフォーマンスをずらっと眺めてしまうことができるのは、ファンド側としては(パフォーマンスが良くても悪くても)気持ちのいいものではなさそうですね。CalPERSがどのファンドと付き合いがあるのかも一目瞭然です。
(注) 0.2 ÷ (1-0.2) = 25%
(追記)更に調べたら、CalPERSとCalSTRS(California State Teachers’ Retirement System)は、出資したプライベートエクイティファンドのパフォーマンス一覧を既に開示していますね。。。更にこっちにはKhoslaなど、VCも含まれているようです。