スタートアップがVCから投資を受ける際、スタートアップ側とVC側のどちらで投資関連書類(投資契約や定款など)のドラフトを用意するのが望ましいでしょうか。
アメリカ西海岸では、スタートアップ側の弁護士が書類のドラフトを用意することが多いようです。
- 西海岸では、会社・投資家のいずれの側に立った場合でも極端に厳しい契約条項は盛り込まない慣習があり、どちらがファーストドラフトを用意してもそれほど交渉のスタート地点に変わりはない
- 投資が終わったあとに書類を管理するのはスタートアップ側であり、スタートアップ側の弁護士に書類内容をより熟知してもらう必要があるので、スタートアップ側でドラフトを用意する方が余分なリーガルフィーがかからない
という2つの理由から、スタートアップ側で準備するのが双方にメリットとなる、という発想になっているようです。
一方、東海岸では、VC側の弁護士がドラフトを用意することも多いと聞きます。東海岸では同じファンド案件でもVCよりもPEの案件の割合が相対的に高く、そしてPE投資の場合には投資金額の大きさゆえに個別の投資ごとに契約内容をカスタマイズする必要が大きくなります。そのため、投資家の個別的な要望を盛り込むために、投資家側で最初のドラフトを準備する方が効率的なことも多く、その慣習がVC投資においても引き継がれているようです。