シリコンバレーの就職人気の変化

シリコンバレーのエンジニアの間で、アップサイドの大きい(いわゆる本当の)スタートアップへの就職人気が落ちており、Googleなどのより「安定的」な会社の人気が高まっているという記事が、Wall Street Journalに出ていました。

ここ最近の投資マインドの冷え込みにより、スタートアップの先行きが不透明になったことを受けての対応です。ランチなどの福利厚生が充実していることは優良スタートアップの大いなるアピールポイントだったわけですが、最近では、豪華な福利厚生を提供するスタートアップを、「金を無駄遣いしている」と見て逆に避けるエンジニアも出てきているとのことです。

とはいえ、このように一般大衆がある方向に動いたときに、世の中の流れに逆行する動きをすることこそが、リスク対比のリターンを高める秘訣です。例えば、(英語がさほど得意でない)日本人がシリコンバレーのスタートアップに挑戦したいのであれば、今のような時期こそがチャンスなのでしょう。

ユニコーンの評価額推移

ユニコーンに投資するミューチュアル・ファンドは、その投資先であるユニコーンの株式をいくらで評価しているのか、四半期ごとに開示しています。その評価額の推移を一覧化することを、Wall Street Journalが始めたようです(The Startup Stock Tracker)。

ミューチュアル・ファンドは、一般大衆から運用資金を預かっているので、このような開示義務があるところが、VCとは大きく異なるところです。

SECがファンドに対して目を光らせている分野

世界的な趨勢として、ファンドに対する規制は年々厳しくなっています。その流れの一環として、米国のSECではここ数年、ファンドに対する検査を強化し、不適切な行為に対して行政処分(enforcement)を課する方針を強めているようです。

SECがファンド検査の重点項目としている分野は、SECのサイトで毎年(2013年以降)公表されているのですが、その中でも繰り返し掲げられているのが、ファンドのフィーや経費に関わる内容であり、実際の処分も数多く出されています。 “SECがファンドに対して目を光らせている分野” の続きを読む

インドのスタートアップ

Wall Street Journalに、海外で経験を積んだインド人が、続々とインドに帰って起業をはじめている、という記事がありました。インドのスタートアップの数は、2010年から2015年の間に3倍になったそうです。

インド人は理系的な才能に富んだ人が多く、シリコンバレーでも多数のインド人が活躍しており、スタートアップが活躍する土壌は結構前からあったと思います。まさに今が伸び盛りということなのでしょう(といっても、既にユニコーンはいくつもインドに存在するわけですが。)。人口からしてマーケット規模も十分なので、VCの投資対象としてなかなか魅力的な地域です。ただ、Wall Street Journalのような大きなメディアが報道しているということは、投資の最適なタイミングは既に過ぎてしまったということかもしれません。早すぎても駄目だし、遅すぎても駄目というのが、投資の難しいところです。