開示資料から見るa16z(その2)

その1に続いて、次はファンドへの投資アドバイスを行っている会社に関する情報が開示されているSECのサイト(Investment Adviser Public Disclosure)を見てみます。こちらには、Form ADVという、米国投資顧問業法(Investment Advisers Act of 1940)で提出が義務付けられているフォームに記載されている内容が開示されています。 “開示資料から見るa16z(その2)” の続きを読む

CalPERSと成功報酬

CalPERSが出資しているプライベートエクイティファンドに対して、CalPERSがいくら成功報酬を支払っているか、CalPERS自身が把握していなかったということで、しばらく問題視されていましたが、この度、CalPERSの発表により、PE投資を始めた1990年からの累計において、34億ドルの成功報酬をPEファンドに対して支払っていることが開示されました(なお、管理報酬は含まれていないはず、です)。 “CalPERSと成功報酬” の続きを読む

開示資料から見るa16z(その1)

米国のベンチャーキャピタルのウェブサイトを見ると、チームメンバーや投資先などはわかるのですが、ファンド自体の内容についてはあまり開示されていません。これはプライベートエクイティファンドでも同様です(というか、ウェブ上の情報が更に少ない)。なぜこうなのかというと、別に秘密主義を貫いているのではなく、米国証券法の勧誘規制があるからだと考えられます(もちろん個別には他の理由もいろいろあるのかもしれませんが)。 そこで、せっかくなので、SECに開示されている情報からVCファンドの何がわかりうるのか、ということを、Andreessen Horowitz(a16z)を例として見てみたいと思います。 “開示資料から見るa16z(その1)” の続きを読む

VCファンドのストラクチャー

日本とアメリカのベンチャーキャピタルの違いの一つとして挙げられるのが、ファンド・ストラクチャーです。日本のベンチャーキャピタルの場合、実際にお金が入るファンド(組合)の上に無限責任組合員がいて、その無限責任組合員であるところの会社にベンチャーキャピタリストやスタッフが所属し、ファンドを運営しているのが通常かと思います。 “VCファンドのストラクチャー” の続きを読む

スタートアップの評価額算定方法

今回も巨大ファンドによるスタートアップへの投資に関する話題です。ユニコーンへの投資を新規に開始したファンドタイプの一つとしてミューチュアル・ファンドが挙げられますが、ミューチュアル・ファンドは一般大衆に販売されるため、保有資産をいくらと評価しているかが一般に公開されます。Wall Street Journalによれば、彼らミューチュアル・ファンドが投資した(非上場の)スタートアップ株式の評価方法の適切性について、SECが関心を寄せているようです。 “スタートアップの評価額算定方法” の続きを読む